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Just Ask: デザインプロセスを通じて取り組むアクセシビリティ

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ユーザー中心設計におけるアクセシビリティ: ユーザーグループのプロフィール例

ここで挙げる例について

本セクションでは、アクセシビリティが考慮されているユーザーグループのプロフィールの仮想的な例を示します。「分析段階」の章の「ユーザーグループのプロフィール」のセクションでは、アクセシビリティをユーザーグループのプロフィールで考慮する上でのガイダンスを提供しています。

本セクションには、下記の仮想的なユーザーグループのプロフィール例が含まれています。

例の中で特にアクセシビリティに関連する箇所は、ハイライト表示すると同時に、スクリーン・リーダーのユーザーおよび画像が見えないその他のユーザーのために、「ハイライト開始」および「ハイライト終了」の代替テキスト(ALT)を用いた透明な画像で囲んでいます。

ユーザーグループのプロフィール: 定年退職者

日付: 2003年8月

背景

HRWebは、Acme Insuranceが使用しているWebベースの人事管理アプリケーションです。HRWebは、従業員の記録、報酬、手当てなど、人事管理データを処理します。HRWebのユーザーグループとして、人事マネージャー、人事スペシャリスト、人事管理アシスタント、人事以外のマネージャー、人事以外の管理アシスタント、従業員、退職した従業員が含まれます。

人口統計データ

現在、Acme Insurance は、HRWebのデータベースに2,580人の現存する定年退職者を登録しています。年齢は、57歳から96歳であり、60%は男性、40%は女性です。また、ほとんどが米国に住んでいます。

ハイライト開始 年齢に関わる考慮に関する注記:

設計において考慮すべき事項:

環境

2000年の米国の世論調査によると、65歳の人がいる家庭の24.3 %は自宅にコンピュータを持っています[3]。

Acmeの定年退職者の中には、自宅でコンピュータを使用している人がいます。また、地元の図書館、高齢者センター、隣人、あるいは子供の家でコンピュータを使用している人もいます。自宅でコンピュータを使用しているほとんどの定年退職者は、ワークステーション、椅子、および机のスペースの設定を快適に感じています。Acmeの定年退職者は、自宅で気が散る原因は、電話、配偶者や孫が邪魔に入ること、そして隣の部屋のテレビやラジオなどの周囲の騒音、と答えています。自宅でコンピュータを使用している定年退職者の25%は、コンピュータ専用の回線を持っています。自宅に電話線しかない人は、誰かが電話を使用するときは使用が中断されると答えています。

ハイライト開始自宅以外でコンピュータを使っているAcmeの定年退職者の多くは、周囲の騒音のために集中できないという問題を抱えており、少数ではありますが、蛍光灯によるディスプレイの反射に不満を持っている人がいます。ハイライト終了

仕事関連のコンピュータ使用経験

「ネットに接続している高齢者」の約20%が、初めてインターネットに接続したのは、仕事または学校に関連した利用だったと回答しています[4]。

Acmeの定年退職者のほとんどは、Acme Insuranceにおいて仕事でコンピュータを使用した経験が多少ともあります。コンピュータの使用経験に関して、過去15年間で定年退職した人の内訳は下記のとおりです。

仕事関連のWeb体験

Acmeの定年退職者の多くは、退職する前にある程度コンピュータを使用した経験を持っていますが、インターネットを使用したことがあるのは半分以下です。コンピュータを使用した経験のある人の内訳は次のとおりです。

使用頻度: インターネットの一般使用

Pew Research Centerによると、65歳以上の人の15%が、インターネットを使用していると回答しています。次のように、いずれかの時点でオンラインに接続したことのある人の割合はさらに高くなっています。

オンライン接続している高齢者の69%が普段インターネットを使用しており、全ユーザーの56%と対照的です。高齢者によるインターネットの使用目的のトップ5は、eメール、趣味に関する情報の検索、金融情報の検索、ニュース、天気予報のチェックです[4]。

定年前に職場でコンピュータを使用していたAcmeの定年退職者のほとんどが定期的にコンピュータを使用していました。下記は平均値です。

使用頻度: HRWeb

HRWebの使用頻度は、定年退職者ユーザーグループで大きく異なります。定年退職者の30%はWebベースのアプリケーションを使用し、残りは郵便または電話で人事部へ連絡しています。HRWebを使用している人の内訳は、次のとおりです。

ハイライト開始注記: 定年退職者グループのユーザーは、記憶力が低下している傾向が高く、アプリケーションを頻繁に使用する人でも、記憶、特に短期的な記憶に大きく依存しない設計が有用でしょう。ハイライト終了

ハードウェアおよびソフトウェア

64~69歳の130万人の高齢者は、高速アクセス(ケーブル、ISDNDSL)を使用しています。55~64歳の300万人のユーザーは、高速接続をしています[5]。

Acmeの定年退職者の内訳:

ハイライト開始このユーザーグループにおいてはかなりの割合の人が、特に対象のサイズが小さく密集している場合(テキストリンクのリスト、オプションボタンやチェックボックスのグループなど)では、マウスの使用が困難です。可能であれば、キーボードのショートカットを使用している人もいます。ハイライト終了

ハイライト開始HRWebを使用しているAcmeの定年退職者に対する非公式の調査によると、一部の人は体の機能の制限(ほとんどが視覚関連)により現在のアプリケーションの一部を使用することが困難ですが、その問題に対応するためにソフトウェアの修正を行っている人はわずかです。

参考文献

  1. Age-related vision loss. Lighthouse International. (formerly at http://www.lighthouse.org/vision_loss/age_related_vision_loss.html)
  2. Age-Related Disease. American Society of Anesthesiologists. Yung-Fong Sung, M.D.
  3. Home Computers and Internet Use in the United States: August 2000. US Census Bureau.
  4. Pew Internet and American Life Project. Pew Research Center. April 2003.
  5. Nielsen/NetRatings. December 2002.

ユーザーグループのプロフィール: 大学生

日付: 2003年8月

背景

CellCall社は、最も人気の高い携帯電話機であるCC90210モデルについて見た目を新鮮にして、機能を向上させるために、デザインを変更中です。CC90210モデルの主な対象のユーザーグループは、高校生、大学生、そして18歳~25歳のヤングアダルトです。

人口統計データ

2000年の世論調査によると、15,314,000人の学生が、米国の単科大学および総合大学に登録しています。学生の内訳は下記のとおりです。

大学生の市場調査を実施している組織、Student Monitorによると、携帯電話の利用は、2000年春から着実に増加してきました。現在、米国の大学生の約80%が、携帯電話を所有し、持ち歩いています [7]。

別な市場調査組織であるCahner's In-Stat Groupによると、2000年末時点で、10~24歳の携帯電話ユーザーの数は1100万人でした [8]。

ハイライト開始全国教育統計センターによると、1999~2000学年度、中等教育に登録している学生の9.3%が障害を持っています< [9]。「障害」の定義が統一されていないことや、自己申告のため結果が正確でないこともあり、高等教育における障害者の参加に関する信頼できるデータは入手が困難です [10]。障害のある学生で携帯電話を使用している人の統計は、見つかりませんでした。 ハイライト終了

携帯電話の利用

2000年6月にCellular Oneが大学生に行った調査 [11] では、学生は、携帯電話を買った最も重要な理由について下記のように答えています。

同じ調査で、学生は、実際に携帯電話を使用した理由を下記のように回答しています。

環境

2002年4月にテキサス大学で実施された調査では、携帯電話を所有する大学生の77%は、休み時間やキャンパスにいる時に携帯電話を使用すると回答しています。

ハイライト開始さまざまな環境における携帯電話の使用に関して考慮する事柄の多くは、障害者による携帯電話の使用と重複していることに注意してください。たとえば、聴覚に障害のある人も騒音のある環境で携帯を使用する人も音量を上げたいと思います。視力が低下している人も日光の下にいる人も、コントラストのはっきりしたディスプレイを必要とします。運動制御がうまくできない人、冬に手袋をはめる人は、使いやすいボタンが欲しいと思います。ハイライト終了

製品の使用経験

10~24歳の携帯電話ユーザー数を1100万人とするCahner's In-Statのレポートに基づくと、大学生は、高校時代に携帯電話を使用していた経験があるという結論を引き出すことができます。Cahner's In-Statは、若年層市場(10~24歳)の加入契約者数が2000年の1100万人から2004年には3000万人以上に増加すると予測しています。米国の高校生の3人に1人が携帯電話を所有しており、13~18歳の学生の84%が携帯電話を使用したことがあります。ハイライト開始

注記: 製品の限られた使用経験

耳の聞こえない、あるいは耳の不自由な大学生は、高校時代にポケットベルを使用した経験はあっても携帯電話を使用した経験はない可能性があります。というのは、ほとんどのデジタル携帯電話は、2002年までTTY対応ではなかったからです。ハイライト終了

使用頻度

Cellular Oneによる大学生調査の参加者は、携帯電話を次の目的で使用したことがあると回答しています(複数回答可能)。

最も重視される携帯電話の機能

Cellular Oneによる調査では、携帯電話を購入する場合に、大学生は下記の機能を最も重視していることが示されています。

これらの機能のうち、テキストメッセージの使用は昨年劇的に増加しました。その理由の1つとして、無線通信業者が競合するネットワークへのテキストメッセージの送信を可能にしたことが挙げられます。

参考文献

  1. 2000 US Census data: population
  2. Student Monitor
  3. 2000 Cahner's In-Stat Group
  4. National Center for Education Statistics 1999-2000 (formerly at http://nces.ed.gov/surveys/npsas/table_library/tables/npsas106.asp)
  5. Burgstahler. S. Cooperative Education and Students with Disabilities
  6. 2000 Cellular One Survey


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