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Just Ask: デザインプロセスを通じて取り組むアクセシビリティ

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ユーザー中心設計におけるアクセシビリティ: ユーザビリティ・テストの報告

アクセシビリティの評価」のページでは、標準のレビュー、ヒューリスティック評価、設計ウォークスルー、および障害のあるユーザーによる非公式の評価を含め、アクセシビリティを一般的な評価方法に含めるためのガイダンスを示しています。ユーザビリティ・テストのセクションは、障害者が参加するユーザビリティ・テストの概要です。

障害者が参加するユーザビリティ・テストのデータ分析および報告では、下記の点に考慮します。

アクセシビリティおよびユーザビリティの問題の区別

障害者が参加するユーザビリティ・テストでは、アクセシビリティの問題の発見に加え、すべてのユーザー、つまり障害のないユーザーにまで影響する一般的なユーザビリティの問題についても発見を目指します。

アクセシビリティと一般的なユーザビリティの違いについて理解してください。「背景」の章の「ユーザビリティに関するアクセシビリティ」のセクションでは、アクセシビリティとユーザビリティの関係を説明しています。障害者にとってのアクセシビリティと、すべての人にとっての一般的なユーザビリティの間に明確な区別はありません。明らかにアクセシビリティであるものもあればユーザビリティであるものもあります。多くは、アクセシビリティとユーザビリティが重複するグレーエリアにあります。

この2つを区別する1つの方法は、インターフェースの問題を分類することです。

ユーザビリティとアクセシビリティの区別は、特に、認知障害および言語障害を考慮する場合に定義が困難になります。認知障害を持つ人のアクセシビリティを向上させるためのアクセシビリティ・ガイドラインの多くは、一般的なユーザビリティ・ガイドラインと同じです。また、障害者向けの機能は、状況的な制限(たとえば、携帯電話を扱うときに、眠っている子供を片腕に抱えている、片手しか使わない、明るい日光の下にいるなど、状況、環境、または装置による制限)がある場合は、障害のない人にとっても有益であるという事実、そしてアクセシビリティが一般的なユーザビリティを向上させるという事実により、さらに区別が難しくなります。

区別を難しくするもう1つのポイントは、「役に立つアクセシビリティ」、つまりアクセシビリティ・ソリューションがどの程度役に立つかということです。たとえば、あるWebサイトがナビゲーションのために画像を使用しており、代替テキストがない場合、そのサイトは明らかにアクセシブルではありません。また、代替テキストが長すぎる場合(たとえば、「検索」だけで済む場合に、「この画像は、深緑色の拡大鏡を描いた線画です。これをクリックすると、Acme Company Webサイトの検索ページにつながります」と説明したテキスト)、このサイトは代替テキストがあるため技術的にはアクセシブルですが、代替テキストがあまりにも質が悪いので、サイトのユーザビリティという点では、代替テキストに依存している人にとっては、ひどいものであると言えます。

ユーザビリティとアクセシビリティの問題を適宜区別してください。製品を設計する場合、ユーザビリティとアクセシビリティを区別することが役に立つのは稀です。しかし、障害者に対する差別に関して調べている場合や特定のアクセシビリティの標準を定義する場合など、区別が重要な時があります。ユーザビリティ・テストの報告においては、アクセシビリティとユーザビリティの問題を区別することが重要な場合もあります。

すべてのユーザーに対する製品のユーザビリティを向上させるためにユーザビリティ・テストのレポートを内部で使用する場合、通常、ユーザビリティとアクセシビリティの問題を区別する必要はありません。しかし、ユーザビリティ・テスト・レポートでアクセシビリティに関して触れる場合、ユーザビリティとアクセシビリティの問題を区別が不可欠となる場合があります。

ユーザビリティとアクセシビリティの区別の問題を理解できないと、問題が生じることがあります。

あるテストでは、Webサイトのアクセシビリティに関する報告の中で、アクセシビリティに関係のない一般的なユーザビリティの問題をはっきりと区別していませんでした。ユーザビリティの問題とアクセシビリティの問題とが混在していたため、Webアクセシビリティ・ガイドラインに関して間違った結果が報告されていました。

アクセシビリティおよびユーザビリティに関する学究的な議論は、問題の複雑さを理解していない人に対して提示する際は注意を払って行わないと、アクセシビリティの目標に悪影響を与える可能性があります。

関連するテストパラメータの組み込み

障害者が参加するユーザビリティ・テストの公開レポートには、関連するテストの詳細を含めてください。読者がテストデータを理解し使用するためには、テストの範囲、およびテスト方法やユーザーの特徴などの評価パラメータに関する詳細情報を含める必要がある場合があります。たとえば、通常、テストレポートでは、使用したソフトウェアだけを明記するだけでいいのですが、スクリーン・リーダーが含まれるテストの場合、バージョン番号、そしてカスタマイズ設定まで明記することが重要です。というのは、これらの情報は、テスト結果および他の状況への適用性に影響するからです。

関連する参加者の特徴はレポートに含め、関係のない参加者情報はレポートに含めないでください。一般に、製品の設計に関する内部のレポートでは、参加者情報はほとんど必要ありませんが公開するレポートでは、より多くの情報が必要です。

通常、参加者の具体的な医療診断および個人の履歴は関連ありません。一般的に、関連する情報として、使用されている適応手段と支援技術、および同様の製品に関する参加者の体験などが含まれます。たとえば、参加者が生まれつき目の見えないこと、携帯電話を5年間使用していることなどは、関連する情報です。失明の原因となった医学的な状態は、関連しないでしょう。

分類および比較における注意点

分類が適切であり、役に立つことを確認してください.。「ユーザビリティ・テストの計画」のセクションの「慎重な分類」を参照してください。

比較が適切であり、役に立つことを確認してください。特にサンプルサイズが小さい場合の比較レポートには注意してください。

あるケースでは、公開されているユーザビリティ・テスト・レポートにおいて、障害のある参加者と障害のない参加者のデータが比較されていました。評価された製品はアクセシビリティが悪く、障害のある参加者は、障害のない参加者よりも悪い結果が示されていました。一部の読者は、障害のある参加者では常にテスト結果が比較的悪くなるものだと誤って結論付けていました。アクセシブルな製品がテストに使用されていれば、悪いテスト結果の原因が製品のアクセシビリティにあることが示されていたでしょう。

結論の明確化

レポートが主張していることと、主張していないことがはっきりわかるように示してください。特に、アクセシビリティの評価に慣れていない人が、レポートを読む可能性がある場合はそうします。たとえば、目の見えない参加者だけをテストに参加させた場合、レポートではアクセシビリティ・ガイドラインへの準拠に関しては評価しなかったこと、および視覚障害のあるすべての人や他の障害のある人にも適用されるとは限らないことを明確に示すべきです。そうすれば、読者は、適切な結論を引き出すことができるでしょう。

分析段階」の「個々人の違い」のセクションで説明したとおり、数人の障害者がすべての障害者を代表していると推測する落とし穴に陥るのを避けてください。

ユーザビリティ・テストの結果が良好であっても、製品がすべての障害者にとってアクセシブルなこと、あるいはアクセシビリティの標準に準拠していることを保証することになりません。大規模なユーザビリティ・テストでも、多様な障害、適応手段、および支援技術を網羅することができません。多様性を網羅するには「アクセシビリティの評価」で説明した他の評価テクニックを使用し、製品が標準に準拠しているかどうかを判断するには「標準のレビュー」を使用してください。

障害者に関する記述

障害のある人とない人を指す表現には適切な言葉を使用してください。障害者についての記述に関する詳細なガイダンスは、「障害者との対話」の章の「『人を主体とした』表現を使用してください」および「侮辱的な言葉あるいは婉曲的な表現は避けてください」のところを参照してください。

障害のない参加者に言及するときは、「障害のない人」や「健常者」としてください。障害者と比較して、「正常な」、「身体機能のある」、および「健康な」という表現は避けてください[1]。

ユーザビリティについてのレポートを書く場合、テストがうまくいった障害者をスーパーマンやヒーローのように描かないでください。障害のある参加者に関しても、一般のユーザビリティ・テスト参加者に関して書く場合と同じ語調で書いてください [1]。

次のセクションは、障害者が参加するユーザビリティ・テストに関する参考文献を示しています(チェックリスト

参考文献

  1. Guidelines for Reporting and Writing about People with Disabilities. The Arc of the United States.


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